標準時間を守るために

前回の記事「トヨタ生産方式の標準作業とは」では、標準作業には、「基準時間(タクトタイム)」「作業順序」「標準手持ち」の3つの要素で構成されていることを述べました。今回のコラムでは、基準時間についてです。

基準時間とは

基準時間とは、物流での作業において、1回1個の作業を何分何秒で行わなければならないのかを決めることです。標準時間では、早すぎても遅すぎてもいけません。

実際の標準時間

では、実際に物流での作業を行い、時間を測ったとします。作業スタッフを見たときに、仕事量の多い人は、作業をさっさと行っていると思います。また、仕事量が少ない人は、のんびりと作業をしていると思います。

このように、仕事量によって作業のペースが異なってしまうことがあります。そうすると、せっかく標準時間を設定したのにもかかわらず、仕事量でペースがバラバラです。

ペースメーカーの設置

このように、実際の作業時間では作業量が異なってくるので、ペースメーカーを設置します。ペースメーカーを設置することで、作業の進捗管理が容易に行うことができるようになります。

具体的には、目標値と実際の数値が自動で表示されることが理想的です。例えば、30個の商品を運ぶことを考えたときに、目標が30個、進捗数が何個という具合に、目標値と実際に作業された数値が表示されるようにします。

また、進捗管理用のホワイトボードを用意し、目標値と実績、対応した人数、作業開始時間、作業終了時間などを記載できるようにしておくことも考えられます。

このように、記録をしておくことで、改善を行うためのフィードバック分析が可能になります。