稼働率と可動率
トヨタ生産方式では設備保全の考え方として「稼働率」と「可動率」があります。この2つを言い分けるために、稼働率を「かどうりつ」、可動率を「べきどうりつ」といいます。
稼働率とは
稼働率とは、受注に対して設備をどれぐらいの割合だけ動かすかです。「設備の最大能力で操業した時の、定時能力に対する必要生産量の割合。」と説明されることが多いです。
例えば、定時間で100個の生産が可能な設備があったとします。そこに50注文が入ったとしたら、設備は50%の時間だけ動かします。その状態が稼働率50%です。
反対に、定時間の生産量を超える注文が入ったとしたら、その生産量をこなすための工夫や残業が必要になります。
理想的には、稼働率100%を目指します。
可動率とは
可動率とは、設備を動かしたいときに動く状態の設備がどれぐらいあるかの割合です。
例えば、設備を8時間運転しようとしたら、設備にトラブルが発生し、半分の4時間しか動かすことができなかったとします。この場合、半分の時間ということで可動率50%ということになります。
可動率は常に100%を維持しておくべきです。そのためにも、設備に故障が発生してからそれを対処するのではなく、故障を予防するために作業計画に基づいた定期的な保全を行うための意識改革や仕組み化、設備保全管理指標の確立などが必要となります。