整理と整頓の違い

物流の改善の第一歩として5Sがあります。5Sの内容は、「物流の5S」で述べました。また、その中でも2Sから始めることの大切さを、「改善は2Sから始める」で述べました。

ここでは、この2S(整理と整頓)の違いを述べたいと思います。

整理と整頓の意味

整理とは、「要るものと要らないものを分けて、要らないものを処分すること」です。

整頓とは、「要るものを使いやすい場所にきちんと置くこと」です。

整理について

要るものと要らないものを分けることは、さまざまな条件があります。物流では台車をよく使用しますが、台車は要るものです。しかし、その台車のタイヤが壊れていて、倉庫の端に置かれたままになっていたとしたら、これは要らないものと言えます。

このように整理を行うことで、倉庫で眠っていた要らないものを処分すると、倉庫に有効活用できるスペースが生まれます。

このように要るものと要らないものをきちんと基準を決めて、どのように対応していくかルールを決めます。

整頓について

整頓をする前に、まず整理を必要とします。きちんと整頓されていつ物の中に必要でないものがあると、スペースのムダです。また、整頓で大切なことは、使いやすいことです。整頓が厳重すぎて要るものが使えないのであれば、これもムダを生み出していることになります。

「きちんと置くこと」の中にもさまざまな意味があります。置き場所を決めたとしても、それを物流作業員全員が理解しておく必要がありますし、また、新人であったとしても直感的に理解して整頓に協力できるようにする工夫が必要となります。

整理と整頓に共通すること

この説明からも、整理と整頓の違いをご理解いただけると思います。この2つに共通することは、「ルールを決めること」と言えます。整理では、何が要るもので何が要らないかをはっきりさせることのルールを決めます。また、整頓では、要るものの使いやすさを考えて、置く場所のルールを決めます。