物流のFMEA
FMEAとは
FMEAとは、「故障モード影響解析」(Failure Mode & Effects Analysis)の略です。トラブルの発生を事前に予想して、それを極力軽減するためのリスクマネジメントシステムです。もともとはNASAやJAXAなどの重大事故が予想される業界で導入された考え方です。その後に自動車業界でも導入が進みました。
現在では、ISO9001:2015にその考え方が導入されたことで、FMEAへの注目が集まりました。
新しいFMEA
FMEAは、2019年にドイツとアメリカのFMEAが融合されて、AIAG&VDA-FMEAハンドブックがリリースされました。今現在、大企業を中心に、新しいFMEAに対応させたり、これを機会としてFMEAの導入を検討したりする企業が増えていることでしょう。
リスクマネジメントシステムの一種ですので、宇宙産業や自動車業界のみならず、物流業界にも導入されていってもおかしくありません。
まだ数は少ないようですが、新しいFMEAを導入するためのコンサルティングを行っているところがあるようです。
物流でのFMEA
FMEAでのトラブルでは、顧客のニーズに応えられない場合を指します。物流でのトラブルとしては、品物が届かない、品物の到着が遅れる、間違ったものが届くなどのトラブルが主です。
物流の設計や物流工程で、どのようなことを行って、そこに潜むトラブルを想定し、そのトラブルの発生頻度や大きさを予想します。そのトラブルの発生頻度や大きさを軽減するための対策が考えられます。
例えば、物流倉庫を移転したとすると、その移転によって幹線道路から離れることで、渋滞に巻き込まれて納期の遅れが発生すると予想されます。「その発生頻度は、平日であれば毎日、顧客満足度が下がるので、トラブルのレベルは高い。」という具合です。
当社では、物流改善にトヨタ生産方式を取り入れています。トヨタ生産方式では、トラブルの予想と改善を行っていますので、ご安心ください。