5回のなぜの事例
前回のコラムでは、トヨタ生産方式「5回のなぜ」を説明いたしました。今回のコラムでは、倉庫でよくありそうなトラブルとして、「品質期限切れの商品を出荷してしまった」ということを例に、「5回のなぜ」を説明いたします。
1回目のなぜ
なぜ、品質期限切れの商品が出荷場所においてあったのか?
その理由として、商品のロケーションを変更したときに、商品の品質期限のチェックに漏れがあったと考えられます。
2回目のなぜ
なぜ漏れがあったのか?
棚卸しのときに、その商品が帳票の数と実際の数の差異として、減耗処理されていたからと想定されます。
3回目のなぜ
なぜ減耗処理されていたのか?
商品のロケーションの変更頻度が高くて、商品の場所が不明になることがあったことが想定されます。
4回目のなぜ
なぜ不明になったのか?
その商品が、棚卸時に発見されなかったからだと想定されます。
5回目のなぜ
なぜ、棚卸で発見されなかったのか?
帳票に基づく循環棚卸になっていなかったからと想定されます。
真因の特定
このようにして、5回のなぜを繰り返すことで、品質期限切れの商品を出荷してしまった真因である棚卸の方法に対策が打てるようになり、異常が発見できる環境づくりに変えることができます。